はじめに
目次
本記事では、Adobe Frescoではイラストのデータがどういった形で保存されるのかということと、画像に書き出すために必要な手順について紹介しています。
Adobe Frescoでのデータの保存
まずはデータの保存についてです。Adobe Frescoで描いたイラストデータは、Frescoのホーム画面に戻ればその都度保存されます。
厳密にはオンラインのときとオフラインのときで保存のされ方が異なるようですが、どちらの場合でもホームにデータが一覧で表示されます。特に保存先を指定する必要はありません。それぞれの詳細は以下の通りです。
オンラインのとき
インターネット接続がされていれば、内容が自動でAdobe Creative Cloud (アドビクリエイティブクラウド)に保存されます。異なるデバイス(他のiPadなど)からも、イラストを編集し更新することができます。
オフラインのとき
インターネットに接続がされていない状態だと、描いた絵のデータはローカル(Adobe Frescoを使っている端末内)に保存されます。その後インターネット接続されると、すぐにクラウドに同期されるようです。
ホーム画面で並んでいるサムネイルの右下にあるマークで、保存の状態を確認することができます。それぞれの意味は、
- 雲のマーク→オンラインで使用可能
- 緑のチェックマーク→オフラインで使用可能
となっています。
(参照↓)
https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/using/work-with-cc-apps.html”
ちなみに、保存して再度開いたときに取り消しのボタンを押しても、保存する前の段階に戻る、ということはできません。まだ取り消したいプロセスがある場合は、保存する前に取り消しをしておきましょう。もちろん、データを開き直してから行った操作については、「やり直す」ボタンを使って操作を取り消すことができます。
再編集するとき
ホームの「最近使用したファイル」に編集したいデータがあれば、ここからサムネイルを押して、イラストの編集を再開できます。
「最近使用したファイル」にデータが見当たらなければ、左のメニューバーから「自分のファイル」を押します。今まで作成したデータが一覧で表示されるので、下にスワイプしてデータを探せます。
Adobe Frescoでの書き出しの基本
選べる書き出しの形式
次は書き出し(画像として保存)についてです。
Adobe Frescoで描いたものを、画像に書き出すときに選べる形式は4種類あります。
- PNG
- JPG
- PSD
それぞれどういった形式か、一つずつ見ていきます。
PNG
圧縮によって画像が劣化することがない、「可逆圧縮形式」が使われている。後述のJPEGに比べ表現できる色数が少ないが、もともと色数が少ないシンプルなイラストやロゴであればPNGを選ぶとデータが軽くなりやすい。Frescoで設定した透過の情報を保持させることが可能。そのため画像の一部を半透明にしたり、描いたシルエットのまま画像にできる。
JPG
約1670万色の色の表現ができるため、写真や精密なアート作品に向いているフォーマット。写真などの使われている色が多い画像を低圧縮のJPGで書き出すと、ファイルサイズは大きいが再現度の高い画像になる(高圧縮すると色の情報が間引かれて荒くなってしまう)。透過の情報は反映されない。Frescoで描いた透明部分があるイラストをJPGで保存すると、透明にしていたところは白で埋められて、アートボードのサイズで保存される。
PSD
Adobe社(Adobe Frescoの提供元)が開発した、「Photoshop」のデータ形式。レイヤー構造や、パスの情報も保存される。最近では、Photoshop以外のペイントソフトでも開いて編集ができるものがある。Adobe Frescoでも、PSDで保存したファイルを開いて再編集ができる。
Adobe社が開発した、閲覧環境による外観の違いが出にくい電子文書フォーマット。レイアウトを厳密に表示・印刷したい文書データに適している。
どの形式が最適か
以上の中で、描いたイラストの複雑さ(=使用している色の数や精密さ)や、用途(=印刷するのか、SNSにあげるのか)などで最適なデータ形式を選びましょう。例えば、グラデーションを多用した複雑なイラストをSNSにアップしたいときはJPG、背景が透過しているショップロゴを印刷会社に入稿するならPNG、という選び方が想定されます。使用するサービスによっては形式が制限されている場合があるので、そちらもチェックします。
書き出しの手順
オフィスツールやイラストツール使って知っている方も多いと思いますが、指定した形式でデータを保存することを「書き出す」と言います。Adobe Frescoで描いたイラストを画像に書き出す際の流れについて紹介します。
右上の書き出しマークを押す
作業画面の右上にある上矢印と四角が組み合わされたマークを押します。
「公開と書き出し」を押す
一番上の「公開と書き出し」を選びます。
「書き出し形式」を押す
そして上から2番目の「書き出し形式」を押します。
ファイル名を入力し、画像の形式を選ぶ
「ファイル名」に、画像として書き出すときに付けたい名前を入力します。最初は、「無題-○年○年…(イラストを作成した日付)」となっています。形式は、冒頭で紹介したPNG・JPG・PSD・PDFの4つの形式から選択できます。
JPGを選ぶ場合
ちなみに、JPGを選んだ場合は画質のプルダウンも出てくるので、高画質、中画質、低画質の中から選択できます。サイズを小さくすることを優先するなら低画質、精密な絵を綺麗に見せたいときは高画質を選びましょう。
保存(共有先)を選ぶ
青い「書き出し」のボタンを押して、保存先(または共有先)を選びます。ここでLINEやメールなどを選べば、自分のデバイスに保存をしなくても、簡単に相手と共有することができます。下から3つ目の「画像を保存」を選んだ場合は、デバイスの写真アプリに保存されます。
保存先で確認する
今回は「”ファイル”に保存」を選んで、iCloud Driveに保存しました。
前項で「自分のデバイスに保存をしていなくてもLINEやメールで送れる」と書きましたが、色味や画質に問題がないことを一旦自分のデバイス上で拡大して確認することをお勧めします。(筆者は下書きの線を消し忘れたまま、相手に送ってしまうことがありました…)
補足:クイック書き出しについて
Adobe Frescoには通常の手順より少ない手順で画像を保存することができる「クイック書き出し」という機能があります。あらかじめ設定していた形式で書き出しが行われるので、同じ設定しか使わない方にとっては多少の時間短縮になりそうです。
クイック書き出しのやり方
右上の書き出しのマークを押すと、上から2番目に「クイック書き出し」があります。
この後すぐに保存先(または共有先)を選ぶ画面になります。選べる保存先と共有先は通常の書き出しの場合と同じで、自分のデバイスに保存する他、SNSやメールで送ることが可能です。
クイック書き出しのデータ形式を変更する方法
クイック書き出しは、デフォルトではJPGで書き出されます。他の形式に変更するやり方はを見てみましょう。
右上の設定アイコンを押して、出てくるメニューの一番下、「アプリケーション設定」を押します。
ウィンドウが出てくるので、「クイック書き出し設定」押すと表示されるプルダウンでファイル形式を変更します。
最後に
せっかく精密に描いたイラストも、設定が適切でないと細部が潰れて魅力が半減してしまうことがあります。(逆に、あえて少し画質を落として、レトロな風合を出す作家さんもいると思います。)イラストの大きさや使う色の種類、精密さによって最適なものは変わってくるので、データのファイルサイズと自分の望む外観かどうかを都度確認してみましょう。
Fresco内では画質を細かく調整できるわけではないので、高画質で保存してから別のアプリケーションでデータを軽くするという方法をとることも有効です。
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