はじめに
目次
ドット絵とは
ゲームで使われるキャラクターの絵は、時代と共に高解像度で表されるようになっていきました。それでも解像度(=絵の細かさ)が低い、1ピクセル単位で描かれる絵「ドット絵」も人気があります。レトロ表現の一つとして、「ピクセルアート」と呼ばれることもあります。
Adobe Frescoで描けるか
商業用のゲームのような美麗なイラストを描くには技術的に難しいので、最近よく使用しているAdobe Frescoでドット絵をつくることはできないか、試してみました。
結論
結論から言うと、現在のAdobe Frescoでは低解像度のドット絵作りには向いていませんでした。その理由は二つあります。
2ピクセル以上描画されてしまう
一つ目は、アンチエイリアス処理がかかり、2ピクセル以上描画されてしまうことがあるからです。アンチエイリアスとは、境界に中間色を自動で追加し、形状を滑らかに見せる処理のことです。Adobe Frescoではこのアンチエイリアスをオフにする設定が見当たらず、ブラシの太さを1ピクセルに設定しても、触った点より広い範囲で色がついてしまいます。また、筆圧でも色の濃さが変わってしまいます。正確にドットを1つずつ打っていきたい方は、IllustratorやPhotoshopなどで描くことをおすすめします。
最小のキャンバスサイズが100×100
Adobe Frescoのキャンバスサイズは1辺を100以下にすることができないので、小さいサイズで描きたくても一旦100×100で作って、後から余白をトリミングする必要があります。
以上の制約・手間がありますが、Frescoでやってみたい!という方は、参考にしてみてください。
Adobe Frescoでドット絵を作る手順
キャンバスの設定
新規ドキュメントを作成し、単位を「ピクセル」、サイズは100×100にします。
グリッドを表示させる
右のメニューからグリッドを出します。今回は32×32のドット絵を作るために、グリッドの間隔を32にします。グリッドの色や濃さはパネル内で調整できます。
絵を描く
背景レイヤーとガイドの間にレイヤーを増やし、絵を描きます。こちらのメロンパンの絵は、汎用ブラシの太さ1で描きました。大まかに描く・消しゴムや選択ツールで不要な部分を消す、を繰り返していきます。
写真をドット絵風に
自分で撮った写真をドット絵風にすることもできます。画像を読み込む方法は、こちらで紹介しています。
写真を取り込んだら画像レイヤーをタッチし、レイヤーアクションの「ピクセルレイヤーに変換」を選んで、キャンバスの解像度に変換します。
選択ツールでグリッドをなぞり、下からマスクを選びます。
外側が非表示になりました。
背景を透明にする
背景を透明にしたい場合は、書き出しをする前に背景レイヤーを削除します。
背景がグレーと白の市松模様になればOKです。これは透過していることを意味します。
書き出す
画像として書き出します。書き出し形式はPNGを選びます。書き出し方法がわからない方はこちらを参照ください。
画質が劣化するとき
iPadの写真アプリで見るとアンチエイリアス処理がかかってしまい、本来の絵よりもぼやけてしまうことがありました。そういったときは、キャンバスサイズを1000×1000くらいに変更して、絵もキャンバスに合わせて拡大してから書き出すと綺麗な画像になります。
サイズを調整する
トリミングをしたら完成です。筆者はiPadの写真アプリの編集でトリミングしました。
キャラクターなどはアニメーション機能を使えば、ぴこぴこした動きを持たせることもできますね。

アニメーション機能はまだ使ったことがないので、使ったら記事にしてみようと思います。
最後に
サイズが小さすぎるからなのか、100×100で書き出すと画像がぼやけてしまいました。また、Apple Pencilでは1ピクセルずつ描くのは難しく、大まかに描いた後に消しゴムや選択ツールで不要な部分を消していくという進め方をしなければいけません。
逆に、手描きの感覚でドット絵を描きたい場合はAdobe Frescoでも問題なさそうです。筆圧で薄く色を載せることもできるので、毎回色を選ぶことなくグラデーションが作れるという利点もあります。
ただ、色数の少ないドット絵も簡単に描けるように、今後のアップデートでアンチエイリアス処理のON・OFFが変更できるようになればいいな〜と思っています。
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